2006年12月15日

教育ニ関スル勅語トハ


五千円札で、長く親しまれた新渡戸稲造が、ベルギーの法学者ラブレー氏の自宅で過ごしていた時の話しです。
ある日散歩の途中でラブレー氏が新渡戸稲造博士に質問しました。

 「あなたのお国の学校には宗教教育が無いのですか?」
 「無い」

新渡戸稲造がそう答えると、ラブレーは立ち止まり、驚きのあまり何度も繰り返し新渡戸に尋ねました。

 「宗教が無い!それではどのようにして道徳教育を授けるのですか?」



これは新渡戸稲造が、世界的名著「武士道」を著す契機となった有名なエピソードですが、道徳教育も、その礎となる宗教教育もないがしろにされている現代日本の教育環境を見たら、何と言われるでしょう?





教育基本法改正案が参院特別委で可決されましたね。

「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するもので…」

という家庭教育についての記述が、新たに加わったことも改正案の特徴なのですが、親御さんの中には、「じゃあ、これまでと比べて何をどうすればいいんだよ!?」
と、困惑されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで、今日紹介しようと思ったのが、「教育ニ関スル勅語」つまり、「教育勅語」です。



わっ!?
そんな「戦争」とか、「軍国主義」とか、「天皇崇拝」とかに結び付けて引いていかないで下さいっ!



あなたは、「教育勅語」の本文をご存知ですか?
悪い事は言いません。
一度ご覧になってから、引いても遅くないでしょ?
もうしばらくお付き合い下さい。



まず、「教育勅語」の原案は、内閣法制局長官の井上毅と枢密顧問官の元田永孚によって起草され、1890年(明治23年)10月30日に発布されました。
国務に関わる法令・文書ではなく、天皇自身の言葉という意味合いから、天皇自身の署名だけが記され、国務大臣の署名は副署されていません。
発布後、日本のすべての学校に下賜(配布)されました。

天皇親政論者として知られていた元田永孚は、明治維新後の闇雲な西洋文化への礼賛により、日本古来の文化・思想、精神的支柱が軽視されることを危惧していたため、明治天皇に対して古来からの忠孝、節義、誠実の美風を教育の礎とすべく、臣民(国民)に対して道徳教育(特に儒教思想)の再興の重要性を進言しました。
そこで、明治天皇は井上毅と元田に命じて、父母への孝行や夫婦の和合、遵法精神、万一の事態が生じた場合での義勇心など12の徳目(道徳)を語り、臣民(国民)とともに天皇自らもさらなる発展に努力したいと願い誓う形式でまとめたものが、「教育ニ関スル勅語」となります。
では、以下原文です。





教育勅語」の現代口語訳です。





私の思い起こすことには、我が皇室の祖先たちが国を御始めになったのは遙か遠き昔のことで、そこに御築きになった徳は深く厚きものでした。
我が臣民は忠と孝の道をもって万民が心を一つにし、世々にわたってその美をなしていきましたが、これこそ我が国体の誉れであり、教育の根本もまたその中にあります。
あなた方臣民よ、父母に孝行し、兄弟仲良くし、夫婦は調和よく協力しあい、友人は互いに信じ合い、慎み深く行動し、皆に博愛の手を広げ、学問を学び手に職を付け、知能を啓発し徳と才能を磨き上げ、世のため人のため進んで尽くし、いつも憲法を重んじ法律に従い、もし非常事態となったなら、公のため勇敢に仕え、このようにして天下に比類なき皇国の繁栄に尽くしていくべきです。
これらは、ただあなた方が我が忠実で良き臣民であるというだけのことではなく、あなた方の祖先の遺(のこ)した良き伝統を反映していくものでもあります。
 このような道は実に、我が皇室の祖先の御遺(のこ)しになった教訓であり、子孫臣民の共に守らねばならないもので、昔も今も変わらず、国内だけでなく外国においても間違いなき道です。私はあなた方臣民と共にこれらを心に銘記し守っていきますし、皆一致してその徳の道を歩んでいくことを希(こいねが)っています。
明治二十三年十月三十日
(天皇陛下の署名と印。)





さぁ、現代訳でも、ちょ、と、分かり難いですよね?



そこで、「教育勅語」に謳われている12の徳目を簡単にまとめたものを見つけたので、以下に並べてみました。

ちょ、と、ご覧下さい。

教育勅語の12徳

孝行
親に感謝する「お父さん、お母さん、ありがとう」

友愛
兄弟仲良くする「一緒にしっかりやろうよ」

夫婦の和
夫婦で協力する「二人で助け合っていこう」

朋友の信
友達を信じあう「お互い、わかっているよね」

謙遜
みずから反省する「ごめんなさい、よく考えてみます」

博愛
博愛の輪を広げよう「みんなにやさしくする」

修学習業、智能啓発
知徳を磨く「進んで勉強し努力します」

公益世務
公のために働く「喜んでお手伝いします」

遵法
ルールに従う「約束は必ず守ります」

義勇
祖国に尽くす「勇気を出してがんばろう」

伝統継承
伝統を守る「いいものは大事にしていきます」

率先垂範
手本を示す「まず自分でやってみます」

明治神宮崇敬会発行『たいせつなこと』参照





いかがでしょうか?
日本人として、というより人間として当たり前のことばかり。

こうやって単純化して見れば、「教育勅語」に抵抗感のある方にも、少しは親しみやすくなるのではないでしょうか。

そして、この項目ひとつひとつをお子さんと見ながら、
「これはどういうことだと思う?パパはね、こう思うんだ」
「これはね、いつもママがこういっているでしょ。こういうことだったのよ」
と、いう感じで、いっしょに話し合う時間を取れば、大丈夫ではないでしょうか?
子供達の道徳心を養う効果のみならず、我々自身にも学ぶところが多いのではないでしょうか?


いずれにせよ、我が子のこと。
いざ、という時に、学校や国を怨んでも、遅いです。
もし、あなたが、俺と同じご多忙パパさんなら、ママさんだけに任せてずに。
あなたがママさんなら、遠慮せずにパパさんに相談して下さいね。

イザという時になってから、ああ、あの時と思っても遅いです。


いずれにせよ、我が子のこと。
お互いに、自衛していきましょう。


posted by 大塚陽一 at 14:47 | Comment(4) | ご多忙パパのリスクマネジメント
この記事へのコメント
うわ〜〜、教育勅語、初めてまともに読みました。うちも旦那が教育勅語推進派(?)で、常に「あれはいい!」と言っているので興味はあったのですが、今日は大塚さんの解説がとても分かりやすくて勉強になりました。

人として当たり前のことばかりですね。武士道もそうでしたが、このように当たり前のことをきちんと簡潔に後世に伝えようとした日本人の子孫であることを誇らしく思って、ぜひ守っていきたいですね。
Posted by tamagonta at 2006年12月15日 23:16
ごんたさん、コメントありがとうございます。

本当にね。
いいでしょ?
私も、ちゃんと読んだのは成人してからですから^^;学校教育・世論操作恐るべし!です。

こうやって何事もシンプルにすると、真意が分かり易くなると思います。

それでも、「臣民」とは何事!
「公のため勇敢に仕え」とは、戦争美化!
と言う人がいるんでしょうけど・・・^^;
Posted by 大塚陽一 at 2006年12月17日 11:45
はじめまして。
教育勅語を調べていたら、
ここにたどり着きました。
教育勅語は、現代にこそ必要だと思います。
この春休み、子どもに教えようと思います。
Posted by ゲゲゲのしげたん at 2008年03月31日 10:57
ゲゲゲのしげたん様

コメントありがとうございます!

おっしゃる通り、大切なことを教えてくれる貴重な教材のひとつだと思います。

ゲゲゲのしげたんさんのブログ、拝見させていただきました。
私もゲゲゲのしげたんさんに倣って、諳んじられるよう暗記に挑戦してみようかしらん(笑)

これからも、宜しくお願いいたします!
Posted by 大塚陽一 at 2008年03月31日 14:07
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