2007年01月24日

「伝国之辞」

私の敬愛するアメリカ合衆国第35代大統領ジョン・F・ケネディと、そのケネディを師と仰ぐ第42代大統領ビル・クリントン(奥様であるヒラリー・クリントン女史が、先日大統領選出馬の意向を発表しましたね)が、一番尊敬している日本の政治家として挙げたのが、表題の「伝国之辞」を表した上杉鷹山です。



ケネディ大統領やクリントン大統領に上記の質問をした記者も、その場に居た当時の日本記者団も上杉鷹山の人物はおろか名前すら知っている者が一人も居なかったそうです・・・(#T〇T#)



本当に恥ずかしいことですが、これは「鷹山はケネディによって日本人に紹介された」という、あまりに有名でありがたくないエピソードとして語り継がれていますが・・・あなたは上杉鷹山をご存知でしたか?



上杉鷹山は、江戸時代中期の大名で米沢藩の九代目藩主です。


米沢藩は、かの有名な上杉謙信公を藩祖とする由緒正しき藩です。


鷹山は元々日向国高鍋藩秋月氏の次男として生まれましたが、母方が上杉氏の縁者であることから、上杉家八大藩主重定の養子となりました。






ケネディ大統領は、内村鑑三氏の著した「Representative Men of Japan(代表的日本人)」という氏がアメリカ留学していた時に日本の文化思想を英文で紹介した本で紹介されていたエピソードを読んで上杉鷹山を知ったそうです。







代表的日本人内村鑑三著・鈴木範久訳・岩波文庫


この中で、内村氏は「上杉鷹山」の他「西郷隆盛」「二宮尊徳」「中江藤樹」「日蓮上人」という5人の日本人を紹介しています。





さて、その上杉鷹山が表したのが表題の「伝国之辞」です。

まずはご覧下さい!





「伝国之辞」

これは、鷹山が次期藩主・治広に家督を譲る際に申し渡した三条からなる藩主としての心得です。





一、国家は先祖より子孫へ伝候国家にして我私すべき物にはこれ無く候

(国は先祖伝来、子孫へ伝え残していくべきもので君主が私物化すべきではない)



一、人民は国家に属したる人民にして我私すべき物にはこれ無く候
   
(国民は国家に属し、国家の礎で君主が私物化すべきではない)



一、 国家人民の為に立たる君にて君の為に立たる国家人民にはこれ無く候

(国家国民のために君主が在るのであって、君主のために国家国民が在るのではない)



右三条御遺念有るまじく候事





「伝国之辞」は、上杉家の明治の版籍奉還に至るまで代々の家督相続時に相続者に家訓として伝承されました。




有名な「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」の歌も「伝国之辞」と共に次期藩主に伝えられました。





さて、どうでしょうか?



「伝国之辞」に書かれている政治理念は、まったく当たり前のことを当たり前に書いてあるだけなんですが・・・このシンプルな文章の中に、政治の本質が語り尽くされているのではないでしょうか?



いや、政治だけではありませんね。



企業内にも家庭内にも、人が集まる組織であれば、間違いなく当てはまると思います。





しかし・・・この「伝国之辞」をしっかり理解し、実践できている、或いは実践出来る政治家が在るでしょうか?





また、鷹山は他にも数々の名言を遺しています。





してみせて 言って聞かせて させてみる」の言葉は、山本五十六に影響を与えたとされます。





賢者は木を考えて実をえる。小人は実を考えて実をえない




鷹山は、藩内の教育改革にも着手しましたが、自身の学問の師と仰いだ尾張出身の折衷学者「細井平洲」を招いて再興した藩校の名前に興譲館(現山形県立米沢興譲館高校)、つまり




「譲る心を興す」




と名付ける辺りに鷹山の人柄が感じられますね。


因みにこの興譲館は、武士だけでなく藩内の者であれば誰にでも門戸が開かれた藩校でした。









漆の実のみのる国」(上下巻)藤沢周平著  



本作は藤沢周平氏の遺稿となって出版されたそうですが、鷹山を知るならこれもお勧めです。



多くの逡巡、挫折、後悔、それらを乗り越えて粘り強く、尊民的な藩政改革を継続していく鷹山の姿に涙なしには読めないですゾ。







木村拓哉さん主演で公開された「武士の一分」が大好評だったので、すぐ手に入るか疑問ですけどね(^▽^;)





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